神道について

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神道用語辞典

数ある専門用語の解説を五十音順で掲載。困った時はここでお調べください。

相殿あいどの 主祭神に対して2柱以上の神を合祀または配祀した社殿。またその神。
葦原中国あしはらのなかつくに 日本の国。国土。
天津神あまつかみ 国津神に対して称される。高天原におられる神また高天の原よりこの国に降臨せられた神。
荒垣あらがき 荒垣とも言う。二、三重に設ける時は内を瑞垣、外を玉垣又は荒垣という。
一宮いちのみや 平安時代から中世にかけて行われた社格の一種。諸国において由緒の深い神社、または信仰の篤い神社が勢力を有することによって、神社の階級的順序が生じ、その首位にあるものが一宮と称し、順次二宮、三宮、四宮等順位を付けていった。
忌火いみび 宮中、伊勢神宮などの重要な祭にあたって、新しく鑽(き)り出される火のこと。他の神社においても鑽火神事(きりびのしんじ)として行われる。
慰霊祭いれいさい 死者の霊を慰め、生前の業績を顕彰し、追慕することを目的とした祭祀。
磐座いわくら 磐境(いわさか)と同じ。神をまつるために磐石で築いた神聖な場所。
氏神うじがみ 氏子が住んでいる地域をお守りする神社。古くは同じ一族(氏族)が祀っていた神さまを氏神さまといったが、のちに主として地域の守り神を意味するようになった。氏神に守られている地域の人々すべてを氏子といい、住所によって氏神・氏子の関係が決まる。
氏子うじこ ある地域社会の住民として、その土地の神社に対して宗教生活上の帰属関係をもつ人。
内削ぎうちそぎ 千木の先端が水平に切られた形状。伊勢神宮の内宮の千木が内削ぎ。
産土神うぶすながみ 自分の生まれた土地を守護する神のことで、その地に生まれた人を産子(ウブコ)という。産土とは、生まれた土地・本拠の意味。氏族を通じて結びつく神社と人との関係が氏神と氏子であり、土地を媒介として結びつくのが産土神である。
英霊えいれい すぐれた人の霊魂。特に戦死者の霊をこう呼ぶ。
延喜式えんぎしき 平安初期の国家の法制書。1巻から50巻まであり、巻8には現在神社で奏上されている原型ともいえる祝詞が、巻9及び10には官社名を記載登録した名簿である「神名帳」が掲載されている。
大祓おおはらい 「おおはらえ」ともいう。古来から宮中で6月と12月の晦日に行われた万民の罪穢を祓い除く儀式。今日も宮中を始め全国各地の神社で行われており、人形に罪穢を託したり、茅輪をくぐって罪穢を祓う行事も行われる。
奥宮おくみや 「奥社」、「奥院」ともいう。地形上から主社から奥の位置にある神社。
御田植祭おたうえまつり その年の豊作を祈って田植え行事を模擬的に神事として行う祭り。
御旅所おたびしょ 祭の神幸の時、出御した神輿を一定の期間とどめて安置する場所。
雅楽ががく 中国の唐楽、朝鮮の高麗楽とわが国の古楽(神楽、東遊、久米舞、倭舞等)を加えたものを称する。宮廷音楽であり、神社における祭典用音楽ともなった。使用される楽器は笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)、太鼓、鉦鼓(しょうこ)、鞨鼓(かっこ)、琵琶、琴等である。
神楽かぐら 「神座(かむくら)」が語源といわれ、神をまつるために神前に奏する舞楽をいう。
神楽殿かぐらでん 御神楽を奏し、祈願を行う建物。
賢所かしこどころ 「けんしょ」とも読む。宮中三殿の内のひとつで天照大御神の御霊代として神鏡をまつってある。
拍手かしわで 神を拝む時に手を打ち鳴らすこと。古来の最高の敬礼作法。神宮では8回、出雲大社では4回手を打ち鳴らすが、一般の神社では2礼2拍手1礼となっている。
堅魚木かつおぎ 「勝男木」、「葛緒木」とも書く。本殿等の屋根の上に千木と併用される短い水平材。後世では神社の尊厳を示す象徴として棟上に置くが、元来は棟の補強であった。
惟神かむながら 語句の1つで奈良時代まで用いた古語である。「神の御心のままに」、「神そのままに」等の意。
官祭招魂社かんさいしょうこんしゃ 官費を以て祭祀、修繕等を行った招魂社(護國神社)。
勧請神かんじょうしん 本祀の神社の祭神の分霊を迎えて、新たに設けた社殿に鎮祭した神をいう。
神嘗祭かんなめさい 伊勢神宮で10月15日から17日にかけて行われる年間を通じて最重要儀式。その年に穫れた新穀を内宮、外宮にお供えする祭典。
神嘗奉祝祭かんなめほうしゅくさい 伊勢神宮の神嘗祭当日、奉祝の意を表する祭祀として神社で行われる。
神主かんぬし 神職の俗称。
官幣社かんぺいしゃ 神祇官から祈年祭、月次祭(6月、12月)、新嘗祭に幣帛を奉られた神社。明治以後は祈年祭、新嘗祭、例祭には皇室から神饌幣帛料が供進された。
紀元祭きげんさい 神武天皇建国の大業を仰ぎ、日本民族の自覚を深め、愛国の意義を新たにし、皇室の隆昌と国家の安泰を祈念する祭祀。
宮中三殿きゅうちゅうさんでん 宮中にある賢所、皇霊殿、神殿の総称。
教派神道きょうはしんとう 教派神道13派ともいい、明治政府公認の神道系宗教教団で出雲大社教、御嶽教、黒住教、金光教、實行教、神習教、神道修成派、神道大教、神理教、扶桑教、禊教、大成教、天理教の13派をいう。
教部省きょうぶしょう 明治5年~10年に神道、仏教、また大教宣布を掌った中央官庁
宮司ぐうじ 神社を代表し事務を総理する祭祀の責任者。代表役員は宮司をもってこれに充てる。
国津神くにつかみ 天津神に対して称される。天孫降臨以前からこの国土に住み、その土地を守護する神およびその子孫。
国造くにのみやつこ 古代の国郡統治のための世襲の地方官で、大和朝廷に帰属した地方豪族の首長が任命され、行政権と祭祀権を有していた。
境内社けいだいしゃ 神社の境内に本社とは別にまつられている社のこと。本社の境内とは別の敷地にまつる飛地境内神社もこれに含まれる。
元始祭げんしさい 宮中の三殿で、正月3日、天皇自ら天皇の位の元始を寿ぐ祭典。神社においても行う。
献幣使けんぺいし 神社本庁から神社の例祭等に幣帛料を供進する使者のこと。
兼務社けんむしゃ 神職が本務の神社以外の神社を兼務する場合、その社を「兼務社」という。
合祀ごうし 一神社の祭神を他の神社に合わせまつること。またその祭祀を合祀祭という。
郷社ごうしゃ 戦前の神社社格のひとつ。府県社の下、村社の上に位する。
皇霊殿こうれいでん 宮中三殿のひとつ。歴代の天皇や皇族の霊をまつっているところ。
国幣社こくへいしゃ 各地の国司より幣帛を奉る神社。明治に入り国庫より幣帛が奉奠されるようになった。
国家神道こっかしんとう 終戦後占領軍が用いたのが一般化した新語で、国家の支援や管理下に行われる神道を広く指す。神道指令では、「日本政府ノ法令ニ依ッテ宗派神道或イハ教派神道ト区別セラレタル一派ヲ指ス」と定義された。
言霊ことだま 言語にこもる精霊、またその威力。我が国にあっては、神々や貴人の発する詞が聖詞・賀詞として保持され威力を発揮した。この聖なる詞は祝詞(のりと)、寿詞(よごと)、呪言(とこひ)、唱言(となえごと)、語事(かたりごと)等と呼ばれている。
権現神ごんげんしん 仏がその身を隠し、かりに我が国に現れた神。奈良時代から菩薩の称号を日本の諸神に適用することが行われ、平安末期以後に権現の称号がさかんに使われるようになった。明治元年からは、このような神号は禁じられた。
権禰宜ごんねぎ 宮司、禰宜の命を受け社務に従事する神職。権禰宜以上を神職という。
祭神さいじん 神社にお祀りされている神。神社に主として祀ってある神を主祭神という。相殿として配祀神を祀ってある場合もある。
歳旦祭さいたんさい 新年を祝い、御賀の寿詞を奏し、皇室の弥栄と国家の隆昌を祈念する祭祀。
里宮さとみや 山麓にまつられている神社のことで、奥宮に対していわれる。
山岳信仰さんがくしんこう 山そのものを神体としたり、山に祖霊が住むとして、霊山として崇拝すること。
三種神器さんしゅのしんき 三種神宝ともいう。皇孫瓊瓊杵尊が天照大御神と高御産霊神から葦原中国の統治の勅命を受け、高天原を出発するにあたって、大神の皇孫に授けられた八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)〔又は草薙剣(くさなぎのつるぎ)とも言う〕の3つの神宝を指す。
式外社しきげしゃ 式内社に対し、それ以外の神社をいう。平安時代における神社の数は約3万社であったが、その内から式内社2861所を除いた神社。
式内社しきないしゃ 延喜式内社のことで、延喜式の巻第9神名帳(じんみょうちょう)上、巻第10神名帳下に登載された当時の官社(国家が祭祀した神社)3132座(2861所)をいう。
式年祭しきねんさい 「式」は「さだめ」の意で、特定の定められた年数ごとに行われる祭祀。
式年遷宮しきねんせんぐう 一定の年限をもって社殿をつくりかえ、旧殿の神儀を新殿に遷す儀式行事。
寺社奉行じしゃぶぎょう 鎌倉時代以降、政権が武門に帰すると、神社行政も武士が掌握するようになり、永仁元年(1293)につくられた。江戸時代には三奉行の筆頭に位置した。
七五三しちごさん 男は数え年の3歳と5歳、女は3歳と7歳の11月15日に、着飾って神社へ参詣する習俗。三才を髪置、五才を袴着、七才を帯解という。
地鎮祭じちんさい 地祭(じまつり)ともいい、土木、建築を行う際に、その土地を治めている神に工事の安全と建物の無事を祈願する祭儀。
紙垂しで 注連縄(しめなわ)や玉串、幣帛などに付けて垂らす紙のことで、古くは木綿(ゆう)を用いた。
注連縄しめなわ 神前や神事の場にめぐらせて、神聖な場所と不浄な外界とを区別するための縄。
標柱しめばしら 神社又は祭場の設備の一種。参道の入口或いは社頭に建つ一対の柱で、これに「注連縄」を張る。石柱の場合が多い。
社格しゃかく 神社についての等級・格式。上代には天社、国社があり、律令時代には祈年祭に奉幣がある事を基準として官幣大・小に分けられ、平安中期以降には一宮・二宮の制、総社の制、二十二社の制等があった。明治以降終戦後までは官幣大・中・小社、国幣大・中・小社、別格官幣社、府県社、郷社、村社、社格の無い神社(無格社)に分けられたが、終戦後廃止された。
社家しゃけ 世襲の神職の家柄をいう。明治4年世襲制は廃止になったが、出雲大社や阿蘇神社など現在も続いている神社もある。
社号しゃごう 神社の称号。神宮、○○宮、○○大社、○○神社、○○社、○○大神宮の7種ある。
社寺局しゃじきょく 明治10年教部省が廃止された後に、内務省に置かれ、神社、寺院の行政を管掌した中央官庁。明治33年に神社局と宗教局の二つに分けられた。
社僧しゃそう 神社あるいは神社の神宮寺に所属し、神祇のために僧形をもって仏事を執り行っていた者の称。奈良時代からの神仏習合傾向により、神宮寺を置く神社が多くなり、中には社僧が神職の上位に立って一社を支配するようなところもあった。明治になって廃止された。
社日しゃにち 春分、秋分に最も近い戊(つちのえ)の日をいう。前後同日数の場合は、前の戊とする決め方などがある。
春には、五穀の豊穣を祈り、秋には収穫を感謝をする日
社務所しゃむしょ 神社の事務一般を取り扱う場所。
社領しゃりょう 神社の領地。神領ともいう。時代によって変遷はあるが、神社はその社領について維持、管理し租税を徴し、司法、行政権を有した。
宗教団体しゅうきょうだんたい 広く宗教上の組織体をいい、宗教法人法にいう宗教団体には限らない。
宗教法人しゅうきょうほうじん 宗教法人法によって法人と認められた神道教派、仏教教派、キリスト教、その他の宗教団体。
修験道しゅげんどう 山岳で修行をして霊験を悟ろうとする仏教の一派であるが、神仏習合の影響を受けて神道と深い関係を持つ。
主祭神しゅさいじん 神社の主体としてまつる神。
修祓しゅばつ 祭典の前に行う祓の行事のこと。
小祭しょうさい 大祭、中祭以外の祭祀で、小祭式で行う祭祀のこと。
上棟祭じょうとうさい 建物の建築の際、柱や梁を組み立ててその上に棟木(むなぎ)を上げることで、この時に家屋の守護神をまつって建物の安全と幸運を祈願する祭祀。
神苑しんえん 直接神社の宗教的関係ある本殿や摂末社、社務所或いはお旅所等がある地域と、これに接続する苑地や林地の一帯。
神階しんかい 神祇に奉った位。神階には位階、勲位、品位の三種があった。神には、位階は正六位以上十五階のみが授与された。勲位と品位は十二等と四品であり人間に対するものと変わりない。
神官しんかん 明治4年太政官布告により、社格ある神社に奉仕する官吏の身分を与えられた職員の事を指したが、明治20年には伊勢神宮を除く官国幣社以下の神社においては神官の称号を廃して神職の称を用いる事となった。昭和21年伊勢神宮にも神官は無くなった。現在は神職と呼び神官は使用しない。
神祇院じんぎいん 神社局を廃しておかれた。神祇行政を管掌した中央官庁。(昭和15年~21年)内務大臣の管理に属し、伊勢神宮、官国幣社以下神社のこと、神官及び神職のこと、敬神思想の普及に関することを掌った。
神祇官じんぎかん 神祇行政を管掌した中央官庁。明治以前は中臣、忌部の2氏がその長に任じられており、神祇の祭祀、祝部、神戸の名籍、大嘗、鎮魂、御巫、卜兆等を総理した。明治元年太政官7官の中の1つとして設置し、神祇の祭祀、祝部、神戸のことを掌った。
神宮じんぐう 伊勢神宮の正式名称。明治神宮、熱田神宮等と区別するため一般には伊勢神宮という。
神宮寺じんぐうじ 神社に付属しておかれた寺院で、神仏習合の現れである。神宮院、宮寺、神願寺、神護寺、神供寺などの別称がある。明治になって神仏分離により、神社から分離又は廃絶した。
神庫しんこ 御祭神のお使いになる御神宝類を収容する倉庫。
神号しんごう 神々の名前を尊称して付ける称号。古代においては「尊(みこと)」、「命(みこと)」が、神仏習合時代には、「明神(みょうじん)」、「大菩薩」、「権現」が成立した。
神幸祭しんこうさい 神が神輿等に乗って神社から出て行く祭り。
神使しんし 神の使いと考えられている鳥獣虫魚のこと。春日・鹿島・厳島の鹿、日吉・春日の猿、熊野・住吉の烏など。
神社局じんじゃきょく 内務省にあった1局で、神社行政の中央官庁。明治33年に社寺局を分けて神社局と神社以外の宗教を所管する宗教局とした。昭和15年神社局を廃し、内務省の外局として神祇院が設置された。
神社神道じんじゃしんとう 氏神や産土神を始め、天皇、皇族、偉人、義士烈士、戦没者などを神としてまつる施設を中心として、これに伴う祭祀儀礼を含んだ信仰組織の総称。
神社本庁じんじゃほんちょう 宗教法人として昭和22年に設立された全国約8万社を包括する宗教団体。東京都渋谷区代々木にあり、地方機関として全国の都道府県に神社庁を置く。
神職しんしょく 神社の職員のうち、宮司、権宮司、禰宜、権禰宜相当以上の者をいう。
神饌しんせん 古語では「みけ」といい、「御饌」又は「御食」の字をあてることもある。神に供える飲食物の総称。
神饌所しんせんしょ 神饌を調理し格納する所。
神饌田しんせんでん 神田、宮田、御供田ともいう。神に属し祭祀に供せられる稲を作る田。
神体しんたい もともとは神の本体そのものを指したが、今日では礼拝の対象となる神霊のやどるもの。
神体山しんたいざん 山そのものを神体として信仰の対象としたもの。
神託しんたく 神のお告げ。託宣(たくせん)ともいい、神が人または物に憑依し、或いは夢に託して神意をお知らせになること。その状態になることを神懸かりという。
神勅しんちょく 神が下した言葉。特に天照大御神が天孫降臨の際に、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に下した三大神勅(天壌無窮の神勅、宝鏡奉斎の神勅、斎庭の稲穂の神勅)は歴代天皇が受け継ぐものとして最重要視されている。
神典しんてん 古事記、日本書紀、古語拾遺、宣命、令義解、律、延喜式、新撰姓氏録、風土記、万葉集を収載した書籍。
神殿しんでん 宮中三殿の一つ。皇居の中で、神皇産霊神、高皇産霊神、玉留魂神、生魂、足魂、大宮売神、御食津神、事代主神、天神地祇を祀っているところ。神社の本殿を指す場合もある。
神道指令しんとうしれい 昭和20年無条件降伏下の日本に対し、日本を占領した連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)名で出された覚書。正式には、「国家神道、神社神道ニ対スル政府ノ保証、支援、保全、監督並ニ弘布ノ廃止ニ関スル件」という。この指令によって神社の国家管理は禁止され、内務省の神祇院は廃止された。神宮、神社は宗教法人令による宗教法人となり、神職は公の身分を失い、法人の役職員となり、神社の経済は法人の財産に移された。
神徳しんとく 神の功徳、威徳のことで、その神の神業によって霊験がある事柄。
神符しんぷ 神社から氏子、崇敬者へ授与する信仰の対象物としてのお札。
神仏習合しんぶつしゅうごう 「神仏混淆」ともいう。日本宗教史上、神道と仏教との交渉・関係を示す語。神と仏は一体であるとの思想。仏を根本とする本地垂迹説と神を根本とする反本地垂迹説がある。
神仏分離しんぶつぶんり 明治元年、千有余年に亘って行われて来た神仏習合を禁止し、両者を分離した行政方策。
神宝しんぽう 祭神の料として本殿の内に奉安するするもの。刀剣、鏡、武具、衣料等多岐に亘る。
神木しんぼく 神聖なる樹木。神社の宮域全体の樹木を指す場合と、特定の樹木の場合とがある。神霊は樹に宿るとの信仰に依るもの。
神馬しんめ 神の乗用に供する馬の意で、神社に奉納した馬。
神紋しんもん 神社の紋章。装飾用等に用いる。
神輿庫しんよこ 神輿を格納するところ。
神話しんわ 「古事記」、「日本書紀」、「風土記」、「古語拾遺」などの上代古典に見える神々の物語を呼び、天皇の祖神を中心とした日本人の祖先の歴史。
随神門ずいしんもん 随身とも書く。神域に邪悪なものが入り来るのを防ぐ御門の神をまつる門。
崇敬者すうけいしゃ 氏子区域に居住する氏子と違って、その居住区域に関係なく何らかの信仰的契機により、その神社を継続的に崇敬する人をいう。
主基すき 践祚大嘗祭に定められている2つの祭祀のそれぞれの一方の系列に関する名称。もう一方は「悠基」(ゆき)斎国、斎田、神殿の3種について大別される。主基殿、主基の斎田等に使われる。主基国は中世以降丹波と備中が交互に選ればれた。
摂社せっしゃ 旧官国幣社において本社に縁故の深い神を祀った小規模神社。明治維新後からは本社祭神の后神、御子神を祀る神社、本社の旧跡に祀る神社、本社祭神の荒魂、本社の地主神を祀る等、特別な由緒がある神社。
遷座祭せんざさい 神霊を本殿から仮殿へ、または仮殿から本殿へ遷す祭祀で、前者を仮殿遷座祭、後者を本殿遷座祭という。
宣命せんみょう 天皇の勅命を書いた文書のうち、国文体で書かれたもの。
総社そうじゃ 平安時代に国司の巡拝の制が衰えた時に、参拝の煩わしさを省くために国庁近く、又は便宜の地に管内の神社の祭神を合祀し、参拝する為の神社。
総代そうだい 神社の運営について役員を助け、宮司に協力する神社機関の一員。氏子、崇敬者の世話や祭典、その他の執行にあたり宮司に協力するが、法律的な権利や権限を有しない。
外削ぎそとそぎ 千木の先端が垂直に切られた形状。伊勢神宮の外宮が外削ぎ。
祖霊社それいしゃ 先祖累代の霊をまつる社。明治に入り氏神の境内に氏子の人々の霊をまつり祖霊社とした。
村社そんしゃ 戦前の神社社格の一つ。郷社の下に位する。
大祭たいさい 神社祭祀の区分の一つで、大祭式をもって行う祭祀のこと。主に例祭、祈年祭、新嘗祭、式年祭、鎮座祭、遷座祭、合祀祭、分祀祭をいう。
大嘗祭だいじょうさい 天皇が即位の後に初めて行う新嘗の祭で、新穀を天照大御神を始め天神地祇に供し、自らも食される祭で、天皇一世に一度の大祭祀である。践祚大嘗祭ともいう。
高天原たかまのはら 天照大御神が支配する天上界で、神々が住んだところ。地上界の「葦原中国」、地下界の「根の国」対して使われる。
山車だし お祭りのときに様々な飾り物をつけて曳いたり、担いだりする車の台車。「だんじり」とも言う。本来は神さまの宿っている御幣や花、榊、竹の籠などを言った。
玉垣たまがき 神社や皇居の周囲に巡らした木造又は石造りの垣。
玉串たまぐし 榊の枝に紙垂をつけて神前に捧げるのに用いるもの。
千木ちぎ 本殿の屋根等で交叉した木。破風が延びて交わった構造的なものと、棟上に跨がらせた置き千木がある。もとは構造的なものであったが、神社の象徴として用いられるようになった。内削ぎと外削ぎとがある。
中祭ちゅうさい 神社祭祀の区分の一つで、中祭式をもって行う祭祀のこと。主に歳旦祭、元始祭、紀元祭、昭和祭、神嘗奉祝祭、明治祭、天長祭をいう。
勅祭社ちょくさいしゃ 天皇のお使いである勅使が参向して祭祀が執行される神社。賀茂御祖神社、石清水八幡宮、春日大社などの16社ある。
勅使ちょくし 天皇の命を伝える使者。
鎮座祭ちんざさい 浄地を選んで社殿を建立し、神霊を鎮めまつる祭祀。
鎮座地ちんざち 神社の住所のことで、主たる事務所の所在地を指す。境内に社務所がある場合は、社務所のある地番、社務所の無い場合は、本殿のある地番とする。
鎮守ちんじゅ 国や都、王城、村落など一定の地域で、地霊を和め、その地を守護する神。
追儺ついな 中国から伝来した疫鬼を追う行事。後世では節分の夜、豆を撒いて災いを追い払う行事となった。
通称つうしょう 一般に通用する名称。とおりな。神社でいう通称名とは正式名称とは別に付近の氏子又は、一般に広く知れ渡っている呼び名。
月次祭つきなみさい 陰暦6月と12月の11日に、神祇官に百官を召集して行われた行事で、中臣氏が祝詞を奏上し、忌部氏が伊勢神宮をはじめ全国の主な神々に幣帛を分けて、国家の安泰と天皇の弥栄を祈る祭儀。月次とは毎月の意であるが年2回にまとめて行われた。神社においては毎月執行されている。
天孫降臨てんそんこうりん 天照大御神の御孫、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が大神の命令で高天原から葦原中国(日本)へ降りられた故事をいう。
天長祭てんちょうさい 天皇の御誕生日にあったって、国民が慶祝の意を表し、神祇に感謝し、聖寿の万歳と国家の長久を祈念する祭祀。
当屋とうや 神社の祭礼や講の行事にあたってその中心となる人又はその家。
常世の国とこよのくに 古代人が海の向こうの遠いところにあると考えていた祖先の霊と神々が住むの理想の国。
歳神としがみ 正月に家にやってくる神。歳徳神、正月様ともいう。
祈年祭としごいのまつり 「きねんさい」ともいう。奈良・平安時代、毎年陰暦2月4日、神祇官及び国司が五穀の豊穣を祈って全国各地の神社に幣帛を奉る祭儀。伊勢神宮を始め全国の神社では今日でも2月17日を中心に大祭として執り行っている。
鳥居とりい 神域の表示あるいは神社の門などとして建設する特殊建築。独立して建てられ、神域を表示する場合も多いが、発達の次第からみると垣(玉垣)や塀の間に設けた門柱としてできたものが様式化された。
内陣ないじん 神社の本殿の奥にあり、御神体を安置しておく場所。
直会なおらい お祭りに供えたものを撤下して食べる行事。一般にはお祭りの後で行う酒食を言うが、本来は神さまのお下がりを食べてお陰をいただく行事のこと。
新嘗祭にいなめさい 「しんじょうさい」ともいう。神にその年に収穫した新穀を供えて、神恩に感謝する祭り。
二十二社にじゅうにしゃ 平安時代中期以降に朝廷の崇敬が篤い、国内神社の代表ともいうべき神社が22あり、特別の社格の神社として取り扱われた。明治維新後廃止され伊勢の神宮は別格としてその他は、官幣大社、中社に列格された。
禰宜ねぎ 宮司の命を受け社務に従事する神職。宮司の補佐役。
根の国ねのくに 古代において死者の霊が行くと考えられた地下界。
祝詞殿のりとでん 祝詞を奏上する建物。
拝殿はいでん 参拝者が拝礼したり神職が祭典を行ったりする建物。
初午はつうま 2月最初の午の日をいい、稲荷神社では初午祭や稲荷講が営まれる。稲荷神が降臨した日が初午の日であったという伝承に由来する。
初宮詣はつみやもうで 誕生後初めて氏神へ参拝することで、男児32日目、女児33日目また男児が31日目、女児32日目など地域によって日数が異なる場合がある。子の幸せな成長を祈るとともに新しい氏子として認めてもらう行事。
人形ひとがた 人の形に模して木や竹、紙等で作った形代。神霊の依代として信仰行事に用いたり、身体から穢や厄災を移して川や海に流したりする。
神籬ひもろぎ 上古、神祭の時、清浄の地を選んで周囲に常磐木を植えて神座としたもの。現在の形は榊に麻と紙垂を取り付け、神の降神時の依代として使用する。
府県社ふけんしゃ 戦前の神社社格の一つ。府社・県社の称。官社の次、郷社の一つ上で、諸社の最上級に位する。
風土記ふどき 和銅6年(713)歴史編纂の材料として諸国に命じて国々の地名の由来、産物、古伝承などを記して朝廷に提出させた地誌。出雲の国風土記がほぼ完本として伝わる。
分祀祭ぶんしさい 祭神の御霊を分けて他の所へまつる祭祀。
分社ぶんしゃ 本社に対し、別に神社を創設し、その分霊をまつった神社。
分霊ぶんれい 「わけみたま」ともいう。ある神社の祭神の霊を分けて他の神社へまつること。
幣殿へいでん 幣帛を奉献する建物。
幣帛へいはく 「みてぐら」ともいう。神に捧げる供え物であるが、神饌とは別のもので、木綿(ゆう)、麻、布、玉等で献幣使が奉幣として行う。
別宮べつぐう 本社と本末関係にある神社の称号。
別当べっとう 神宮寺に奉仕する社僧の長。
別表神社べっぴょうじんじゃ 神社本庁において、その由緒、活動、財政等を総合した面で顕著な神社が申請により指定される。
奉幣ほうべい 幣帛を神に捧げること。
本宗ほんそう 神社本庁では伊勢神宮が古来、至高至貴の神社であるので、全国の神社の総親神として「本宗」と称え、仰ぐ。
本殿ほんでん 神(神霊)が鎮まっておられる建物。
本務社ほんむしゃ 兼務社に対して、主として奉仕する神社。
舞殿まいでん 神の御意を慰めるために舞や神楽を奏する建物。
真榊まさかき 社殿や祭場を装飾する用具。榊に五色絹(青、黄、赤、白、紫)を垂れ、神前に向かって右には鏡と玉を掛け、左には剣を掛ける。
末社まっしゃ 本社に対し枝社のことで社格の一種。摂社とともに枝社を構成するもの。摂社以外で本社の支配を受けている小社。明治以後からは神宮、官国幣社に限って摂社・末社といい、府県社以下の神社では、その枝社は全て境内神社、境外神社と称せられた。
御巫みかんなぎ・みかんこ 神をまつる童女。神祇官西院に祀る23座の神に奉仕したものなどがあった。
御厨みくりや 神饌を調進する屋舎。古代・中世、皇室の供御や神社の神饌の料を献納した皇室・神社所属の領地。古代末には荘園の一種となる。神領。
巫女みかんなぎ・みかんこ 神社に奉仕する女性。古くは神社に属する女神官と神社を離れて村落に定住または漂泊する呪術的祈祷師をいった。
瑞垣みずがき 玉垣の内側に設ける垣のことで、一般には木製の垣で神殿を囲む。
宮座みやざ 氏子が祭祀にあたった遺風で、特定の家に属する者が交代で神社の祭祀を司った。
名神みょうじん 「明神」とも書く。神社の内で特に霊験の著しい神。後世になると名神の称は用いられなくなり、専ら明神又は大明神が用いられるようになった。
無格社むかくしゃ 社格制度において村社に至らなかった社格のない神社。
棟札むなふだ 社寺の殿舎造築の上棟祭に造営修復の由来や寄進者以下関係者、工匠等の姓名、起工竣工の年月日等を記し、棟木に打ち付けて後世への記念とする木札。
明治祭めいじさい 我が国を近代国家として発展させた明治天皇の聖徳大業を景仰し、益々文化を進め産業を興すことを祈念する祭祀。
物忌みものいみ 神事などに関係する者が、ある期間精進潔斎すること。
由緒ゆいしょ 神社が創建された発端やその歴史。
悠基ゆき 践祚大嘗祭に定められている2つの祭祀のそれぞれの一方の系列に関する名称。もう一方は「主基」(すき)斎国、斎田、神殿の3種について大別される。悠基殿、悠基の斎田等に使われる。悠基国は中世以近江国が選ればれた。
依代よりしろ 神霊が降臨する際に神霊の宿り場となるもの。
霊験れいげん 神霊の不可思議な感応、効験をいう。
例祭れいさい 祭神の由緒や神社の縁故によって選ばれた恒例の大祭。その神社にとって最も重要な祭祀。
伶人れいじん 雅楽の職業的楽人の呼称。
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